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7.石器石材参考資料


大分県姫島産黒曜石
 大分県国東半島の東端に浮かぶ姫島の観音崎は東西約120m、高さ約40mに達する黒曜石の大露頭として有名です。やや透明感のある灰黒色と、失透乳白色の二種類が認められます。九州北部〜瀬戸内、四国地方で多く利用されました。山口県下でも山口市美濃ヶ浜遺跡、宇部市月崎遺跡、平生町岩田遺跡など縄文時代の主要遺跡で原石が持ち込まれています。
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佐賀県腰岳産黒曜石
 九州地方は数多くの黒曜石産地で知られていますが、なかでも最大規模を誇るのが腰岳です。漆黒色で粘りのある良質の黒曜石が無数に散在しており、周辺各地の遺跡で利用されました。北は朝鮮半島から、南は沖縄本島にまで運ばれています。
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長野県和田峠産黒曜石
 中部地方の黒曜石は一般に信州系と呼称されており、長野県和田峠のほか、麦草峠、霧ヶ峰、男女倉などが有名です。透明感の強い黒色、灰色、無色のほか、褐色の黒曜石もみられます。中部〜関東地方における黒曜石の一大供給源であり、半径約150q以上の範囲で原石の移動が確認されるといいます。
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北海道白滝産黒曜石
 白滝は世界有数規模の黒曜石産出地です。良質で大型の剥片が得やすく、時折30pを超すほどの両面加工尖頭状石器などが発見されています。ガラス味の強い黒色、灰黒色のほか、赤い筋の走る黒曜石(画像)が十勝周辺特有とされ有名です。交易範囲は広く、海峡を越えたサハリンや沿海州、青森県にまでもたらされています。
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香川県金山産サヌカイト
 香川県坂出市に位置する金山(かなやま)は、城山、国分台、連光寺山などとともにサヌカイト(和名は讃岐石)の一大産出地として知られます。古銅輝石安山岩の一種で、叩くと「カーンカーン」という透き通った金属音が響くことから、地元では古来、カンカン石とか、チンチン石と呼ばれ親しまれてきました。旧石器時代以降、中四国地方では最も普遍的な石器石材としてナイフ形、石鏃、スクレイパーなど、盛んに製作消費されました。広島県洗谷遺跡、愛媛県江口貝塚、糸大谷遺跡などの分析事例から、縄文時代後期以降になると1sを超す板状の大型石器素材が、瀬戸内海を介して運ばれていたことが知られています。山口県上関町の田ノ浦遺跡では2005〜2006年度の山口県埋蔵文化財センターの調査で縄文後〜晩期と推定される重量4.125kgのサヌカイト製板状素材が出土し、2007年夏に開催された第18回中四国縄文研究会等で話題を呼びました。
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愛媛県僧都川産頁岩
 頁岩とは堆積岩の一種で、一般に1/16o以下の細かな鉱物粒子(泥土)が水平堆積し、固結した岩石を指します。ただし石器など風化の進んだ小片資料の場合、泥岩との峻別が容易ではありません。打撃を加えると石理面に沿って層状に割れやすい性質をもつことから石器素材として頻用されていますが、火成岩たる安山岩や玄武岩などと比べ脆く、利器としての耐久性が劣るため、遠隔地への搬出は殆ど確認されていません。
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下関市安岡産赤色頁岩
 頁岩、泥岩の一種で、一般に色調が灰紫〜灰赤色を呈するものを山口県では俗に赤色頁岩と呼んでいます。県西部に数多くの産地があり、特に肌理細かく良質のものは赤間硯の原材料とされてきました。画像のような拳大前後の礫は、縄文〜弥生時代には磨製石器などの素材として県下周辺で広く利用されました。
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下関市角島産瑪瑙(めのう)
 目視では秩父帯などで産出するチャートと酷似するため、峻別は容易でありませんが、両者はそもそも生成要因が全く異なりますので、顕微鏡分析を行えば簡単に識別が可能です。すでに旧石器時代には石器材料として用いられていますが、縄文時代以降には装身具としても利用されるようになります。赤、黄、茶、緑、青、紫、黒、白など色は多彩で、うち下関市角島では画像のように赤、茶、白のバリエーションがうかがえます。硬度は6程度ですが、粘りがあるため強く、また石理が発達しやすいため、加工は容易ではありません。山口県下では地質学的に下関市の角島が産出地として知られていましたが、近年の調査で、北浦一帯の縄文〜古墳時代の遺跡において、角島産の可能性がもたれる瑪瑙製石器の出土が確認されるようになりました。研究はまだはじまったばかりですので、石器製作跡や石材流通の範囲など、今後に託された課題はたくさんあります。
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徳島県阿南市那賀川産チャート
 地質学上秩父帯に属する中央構造線の南側、特に近畿南部や四国南部、東九州周辺域ではチャートが多く産出します。山口県下では美祢市周辺で塊状チャート、岩国市で層状チャート(灰〜黒色)の産出が確認されていますが、石器素材として良好なものは少ないようです。チャートは、特に旧石器時代〜縄文時代前期以前には石器素材として盛んに利用されていました。二酸化ケイ素を主成分とする中〜古生代の放散虫が堆積したもので、粘りのある鋭利な剥片を得ることが可能ですが、一般に石理がよく発達するため、特に大型石器の製作には不向きでした。中四国地方では縄文時代早期以降、次第に香川県金山産サヌカイト等の供給が盛んになり、こうした在地的石材の使用は逓減していきました。山口市美濃ヶ浜遺跡でも徳島県阿南市産と推定される青色チャート製の石器(ただし近世以降と推定される)が発見されています。(宮崎県埋蔵文化財センター藤木聡氏のご教示によります)
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青色チャート製剥片(火打石)
山口市美濃ヶ浜
 山口県下では美祢市周辺の塊状チャート、岩国市の層状チャート(灰〜黒色)が確認されていますが、石器素材として良好なものは少ないようです。山口市美濃ヶ浜遺跡出土の青色チャートは地元山口県周辺では産出しない石材であることから、遠隔地との交流を示唆する遺物として注目されます。なお、2009年12月に宮崎県から藤木聡氏が来館され、本資料が近世以降の火打ち石であることが新たに判明しました。石材は徳島県阿南市大田井産と推定されています。
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